批評やら何やら。



んーと……取り敢えず報告ですが、昨夜の段階で漸く天結い一周目をクリアしました。
難易度はノーマル。全マップ100%コンプ縛りで、掛かったプレイ時間は最終的に43時間程だったかな。


で、昨日まで書いてたプレイ記事は一先ずお終いで、今日は一周目を終えての感想とか諸々を書こうと思います。
プレイ記事休止の理由については、今作は六章以降から徐々に物語の核心に迫り始める展開になるのが主な理由。
要するにこれまで通りSS貼ってのプレイ記事となると、どうしても物語のネタバレをしてしまう可能性があるんだよね。
まぁ正直今更感はあるが、出来れば物語は自身の目で見てほしいので、七章以降の展開については今後記事としません。


あともう一点。
感想≒批評です。人によっては不愉快かもしれません。
加えて、この記事を見る事で今後の楽しみを損なう可能性もあります。
もしこんな辺鄙なブログを読む奇特な人が居るならば、その点を留意した上でスクロールをどうぞ。




















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ストーリー

全体を通して



良く言えば王道、悪く言えば竜頭蛇尾な展開、というのが第一印象。
前半から中盤に掛けての展開は良かったんだけども、後半はやや駆け足気味の展開。
というより盛り上がりとなるポイントがなく、全体的にややフラットな構成になってます。
それだけでなく、後半になるにつれゴリ押し、或いはご都合的展開が増えていくのも気になった点。
特に最後の城砦タックルがちょっと不可解で意味不明。その理由も、その後の主人公とフィアの反応も。
これまでの言動からして、特にフィアはまず第一に城砦に住む人々の心配をするべきなのではと思った次第。
その場面以外にも、発言が前後で矛盾していたり、頭痛が痛い的な言い回しがあったりと、頭の弱い場面が多い。



そもそも全体を通して、やたらと脳内お花畑なキャラクターが目立つ。
初見の印象からしてフィアもそうだが、主人公も見方を変えれば妄信的、或いはイエスマン
城砦に住まう民にしても、一切の不満不平を漏らさず、またそれに関するイベントが起きない事に違和感。
つまるところ終始「女神フィア様バンザイ」な印象を受ける。女神、というキャラ設定をやや悪用しすぎでと感じた。



一方で、物語全体に「縁」というテーマを混ぜたのは素敵だったね。
縁というテーマを終始前に出していたお陰で、平坦ながらも何だかんだ満足行く締めとなった。
もしこれがテーマ性の無いただの王道ストーリーだったら、完全に終始ご都合主義な話で終わってたね。
見方を変えれば「縁≒運命」もまたご都合主義ではあるが、一貫して同一のテーマで進めたのは良かったと思う。



エウシュリーの作品にしては珍しくギャグパートが目立つゲームであった、というのも印象深い。
人によってギャグの多いゲームは賛否別れるが、このゲームに関して言えばかなりプラスだったのでは無いかと。



前提として、今作のギャグパートは軽妙で読みやすく、面白いです。
ダラダラと長く読ませるのでは無く、合間合間でテンポ良く読ませるメリハリの聞いた掛け合い。
その為、フラットでやや暗くなりがちの展開でも、小気味よいギャグのお陰で暗くなりすぎず進め易い。
また、フィアの担当声優が上手く、彼女のお陰でギャグパートが成り立っていると言っても過言では無い。
加えて彼女をコメディリリーフとする事で、女神フィアというキャラクター性を目立たせている点も好印象。



但し、真面目に進行すべき場面でギャグを挟んでくるのは論外。
特に顕著だったのはミクシュアナ邂逅の場面と、ラストED前の"ある人物"と主人公のやり取り。
前者は緊張のしすぎという注釈があったとはいえ、ここはもう少し穏やかな進行で名乗るべきであったと思う。
ラストED前のやり取りははっきり言って蛇足。"ある人物"に敢えてコメディリリーフをさせる意味は無いと感じた。
或いは「人と友好的な者であった」という側面を目立たせる為だったかもしれないが、それでも唐突感があったかな。




キャラ個別ストーリー



少ない。めちゃ少ない。
そもメインストーリーがやや駆け足だった事に加え、個別パートが圧倒的に不足している。
俗ったい言い方をすれば、フィア以外の個別パートは近づいて、仲良くなって、エッチして終わり。
せめてその後にもうワンシーンを入れて、更に絆を深めて性能強化、とかならまだ良かったかもしれない。



ただ、個別パートの出来そのものは良かった。
各キャラの側面や隠された素顔、そのギャップを楽しめる構成。
ワンパターンなストーリーの中にもきちんとキャラの個性を出している点が評価出来る。
腹を抱えて笑い転げるロザリーヌさんは正直見てみたかった。



……因みに、フルプライスな割にエッチシーンは少ないらしいですね、今回。
うちは元々エッチシーンはスキップする人なのでどうでも良いんだが、この辺りで不満者は出てきそうですね。




ゲーム性

戦闘パート



全体を通しての所感は、やや難度が高く、初心者には優しくないな、と。
少なくとも、ソシャゲよろしく脳死でマウスカチカチプレイでは初見の攻略はほぼ不可能です。
キャラを育て、武器を用意し、スキルを付け替え、敵の属性を見極め、立ち位置を考え、構成を選び……。
今作のゲームジャンルは「知識採集・城砦構築・戦術SRPG」だけども、その中の戦術を特に前に出した感じかな。



うち個人としては中々歯応え、もとい手応えのあるバランスで、戦闘パートは終始楽しめました。
が、サクサク進めたい人、脳死でプレイしたい人、ストーリーだけ読みたい人には絶望的に向きません。
逆にじっくりと着実に進めるのが好みの人、やり込みが好きな人はとことんハマりそうなゲームになってます。
あとたまーに勘違いしてる人がいるけど、RPGが向いていないのに、それを自覚出来ていない人間にも向きません。
元々コンシューマーRPGでやり込める人や、或いは元々エウシュリーのゲームが好きな人ならば問題は無いと思います。



戦闘パートでの不満点は目下の所二つ。
一つは、結騎の育成が面倒というか、これのせいで半ば捕獲ゲーになってるのがちょっと。
せめて捕獲の上限数が無かったり、戦闘中に結騎の育成ステータスを確認出来れば良かったんだが……。
このせいで、各キャラで捕獲ロープを使い回して手当たり次第に捕獲していくポケモンマイスターになってます。
資材消費とか育成用アイテムとか色々やりようはあったと思うのに、なぜここだけ面倒な仕様にしてしまったのか。



もう一つは神採りにあった衣装システムの撤廃。
ダンジョン系の前作・神採りダンジョンマイスターでは、ヒロインに衣装を着せる事で属性が変わった。
また、その衣装は戦闘時の立ち絵にも反映され、所謂着せ替えゲーとしてもある程度楽しめたんだよね。
ところが、今作ではそのシステムを撤廃した為、戦闘時の立ち絵は一種類のみで、段々見飽きてきます。
装備毎に立ち絵に変化があれば今よりもより楽しめたと思うだけに、衣装システムが無いのは残念で仕方ない。




拠点パート



拠点発展パートは今回からの新システムだけども、これが結構面白くて個人的には高評価。
拠点の施設を充実させる事で、見た目だけでなく戦闘時のステータスが間接的に強化されるのもグッド。
このゲームは終始探索で素材を集めていく流れになるけども、施設によってはドロップ増加の効果もあります。
その為、拠点を発展させればさせるほど戦闘や探索でかかるストレスを減らせる、というのが特に良いですね。
また、マイセットも存在するので場合によっては探索用の配置、戦闘用の配置と分けるのも良いかもしれません。



拠点パートにおける不満は、キャラの吹き出しアイコンが見え難くなる事。
あとは拠点が広くなるにつれ、どうしてもスクロールしないと全体を把握出来なくなる事かな。
前者に関しては、一応イベントが発生する毎にキャラクターボイスが流れるのでまだマシではあるが……。
後者はせめて拠点表示サイズの拡縮が出来れば良かったですね。欲を言えば視点切り替えもあれば尚良しだった。




ルートマップ



ストーリーの進行が不親切でした。
このゲームはルートマップが存在し、ストーリーを次に進める為にやるべき事が分かる様になってます。
が、項目を全て埋めても尚次に進まず、一体次は何をすれば良いのか、という場面がちょくちょく出てくる。
また、ルートマップで表示されるのはメインストーリー進行のみで、キャラクターパートは表示されません。
その為、個別キャラクターのイベントを見るにはどうすれば良いのか、というがゲーム中さっぱり分かりません。



何がイベント発生条件なのか。
その章で何度イベントを見れるのか。
何章までに条件を満たさないと行けないのか。
この辺の項目、各キャラクターの攻略に際し、全て手探りで進める事になります。
まぁエウシュリーのゲームに慣れてると存外どうにかなるけども、初心者には優しくないよね。




BGM



今作のBGM、すごく良かったです。
日常パートも然ることながら、特に戦闘中のBGMは格好良いのが多かったね。
個人的に火山のBGMとラストダンジョンのBGMがお気に入りで、この二曲は無意識にリズムを取ってる程でした。
youtubeのリンクを貼りたい所だが、流石にまだ上がってないので実際にゲームで聴いてくれとしか言えないのが辛い所。




その他



この性能表示がクッソ邪魔だった。







終わり。



とまぁ、主に不満な所をメインで色々書いたけども、個人的に今作はかなり好みで、良ゲーだと思ってます。
実際問題、ここまでの批評は今作が好きだからこそ不満な点、気になる点が多かったって感じですね。
ただこれら不満点を込みにしても良ゲーであると考えてます。元々エウシュリーの作品は好きだしね。
でもせめて各キャラクターの個別エンディングくらいは欲しかったなー! ロザリーヌとかなー!